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2023.03.17

製造業における人事評価のメリット・重要性や改善ポイントを解説

製造業における人事評価のメリット・重要性や改善ポイントを解説

製造業でも、適切な人事評価の重要性が高まっています。しかし、人事評価が適切に行われていない企業や、制度自体が導入されていない企業も珍しくありません。人事評価制度を改善することで、人材獲得や生産性などの点で大きなメリットがあります。

この記事では、製造業で適切な人事評価を行うことの重要性や、人事評価制度の改善ポイントなどについて解説します。

製造業で適切な人事評価を行うメリット・必要性

はじめに、製造業において適切な人事評価を行うメリットと必要性について、以下の4つの観点から見ていきましょう。

  • 従業員の定着率が向上して人材流出を防げる
  • 従業員のモチベーションと生産性が向上する
  • QCD(品質/コスト/納期)の改善につながる
  • 人材マネジメントの影響が大企業より大きい

従業員の定着率が向上して人材流出を防げる

製造業で適切な人事評価を行うと、従業員の定着率が向上します。与えられた評価や待遇に納得感があれば、企業に対する従業員のエンゲージメント(貢献の気持ちや愛着心)は高まります。結果的に人材が定着し、ベテラン従業員・作業員が育ちやすくなるため、人材育成に有利です。

一方、不適切な人事評価が行われている場合は、従業員のエンゲージメントが低下して離職率が上がります。社内にベテラン従業員がいなくなれば、優れた人材は育成できません。人材不足で品質が低下すれば、価格競争に巻き込まれやすくなり、従業員の待遇改善はますます困難になるでしょう。

従業員のモチベーションと生産性が向上する

人事評価制度を改善すると、考課者の主観を排除した「客観的な人事評価」ができるようになります。数値やデータをもとにした評価は考課を受ける側も納得しやすいため、従業員のモチベーション向上につながります。仕事にやりがいを感じ、積極的にスキルアップを図るようになり、業務効率と生産性の向上が期待できるでしょう。

QCD(品質/コスト/納期)の改善につながる

前述したように、適切な人事評価は従業員のモチベーションとパフォーマンスを高めます。これは製造業で顧客に価値を提供するために欠かせない「QCD(品質/コスト/納期)」の改善にもつながります。品質とコストパフォーマンスが高い製品を顧客に提供できれば、自社の優良顧客が増え、収益の向上も見込めるでしょう。

人材マネジメントの影響が大企業より大きい

従業員数が少ない中小企業では、「人的リソース」が経営に与える影響が大企業より大きい傾向があります。不適切な人事評価による従業員の離職は、企業の経営にダイレクトな悪影響を与えかねません。人事評価制度を改善することで、安定した人的リソースで経営ができ、人員計画も管理しやすくなるでしょう。

製造業における人事評価制度の課題やよくある失敗例

製造業における人事評価制度の課題や、よくある失敗例を以下の4つのパターンに分けて解説します。

  • 人事評価制度が適切に運用されていない
  • 人事評価制度そのものが導入されていない
  • 人事評価表の項目が実態を反映していない
  • 業務内容やキャリアパスが明文化されていない

人事評価制度が適切に運用されていない

製造業における人事評価の失敗例として、人事評価制度が適切に運用されていないことが挙げられます。特に、人事評価制度の運用方針について、以下の3つの課題点が指摘されています。

  • バラつきのある人事評価が行われている
  • 評価結果に対し従業員が意見を出しづらい
  • 人材育成や能力開発に活かされていない

つまり、製造業では「人事評価制度が形骸化している」ケースが珍しくないということです。評価結果が人材育成や能力開発に活かされていないことは、人材マネジメントの観点からも大きな問題だといえるでしょう。

人事評価制度そのものが導入されていない

企業規模によっても大きく異なりますが、人事評価制度自体が導入されていない企業も少なくありません。特に、社員数100人未満の中小企業では、人事評価制度がない企業のほうが多いと考えられています。人事評価制度がなければ、従業員を適切に評価することや、最適な人材育成・配置などを行うことが難しくなります。

人事評価表の項目が実態を反映していない

人事評価表の項目が企業の実態を反映していない場合は、従業員が人事評価の結果に納得しづらくなります。製造業は、独特の商習慣や業務フローを有するケースが少なくありません。人事評価表の項目が一般的なものであり、その内容が自社の商習慣や業務フローを反映していない場合は、人事評価制度そのものが軽視されて形骸化してしまうでしょう。

業務内容やキャリアパスが明文化されていない

前述したように、人事評価表は企業の実態を反映していることが望ましいです。しかし、そもそも「業務内容」や「キャリアパス」が明文化されていないケースがあります。これらが「暗黙の了解」で決められている場合は、考課者の属人的な裁量で評価基準や結果が変わりかねません。結果的に、人事評価制度の信頼性が低下し、やはり形骸化につながってしまいます。

製造業における人事評価制度を改善するポイント

製造業における人事評価制度を改善するために、以下の5つのポイントを意識することが重要です。

  • 人事評価項目を明確に設定する
  • 全社的にデータの共有体制を構築する
  • 管理職など評価担当者への教育を行う
  • 職種別の人事評価制度の導入を検討する
  • 職種の特性を踏まえて制度を設計する

人事評価項目を明確に設定する

製造業における人事評価制度の大きな改善ポイントは、「評価項目」を明確に設定することです。一般的な項目だけではなく、自社の経営方針や業務フローを反映した内容にしましょう。

また、「業務内容」や「キャリアパス」を明文化することも重要です。事前に「求められる人材」「評価される人材」の定義を明確化しておくことで、人事評価項目との整合性がとれ、評価結果に対して従業員が納得しやすくなります。

全社的なデータの共有体制を構築する

事業所・部門・チームの垣根を越えて、全社的に評価データを共有できる体制を構築することも重要です。例えば、評価データを各チーム限定で保有していると、評価担当者が変わったときにすぐ対応できません。結果的に、チームごとに評価基準が大きく異なるなど、評価基準や評価内容が不透明になりがちです。

情報を共有できる仕組みを構築すれば、事業所・部門・チームを越えてそれぞれの評価状況をスムーズに確認し、必要に応じた対応ができるようになるでしょう。

管理職など評価担当者への教育を行う

管理職など評価担当者に対し、適切な人事評価を行うための教育を実施する必要もあります。人事評価制度やデータの共有体制を整えたとしても、評価担当者の理解が浅ければ、適切な人事評価ができません。

評価担当者には、「主観ではなく客観的な視野で評価する」「従業員への伝達・フィードバックは丁寧に行う」など、人事評価の結果を被評価者に納得させられるような言動が求められます。

職種別の人事評価制度の導入を検討する

製造業は、「製造部門」「研究開発部門」「営業部門」など、さまざまな部門から成り立っています。職種によって求められる人材像は異なるため、評価基準にも違いがあるはずです。そのため、職種別の人事評価制度を導入するのも有効な選択肢です。

人事評価制度を職種別にすると、職種ごとに適切な賃金や待遇を設定できるので、専門的な人材を育成しやすくなります。一方、職種間での異動が多い企業の場合は、評価基準に一貫性がないと運用しづらく、異動のたびに評価基準が変わるなど従業員への負担が増し、公平性が欠ける結果にもなりかねません。そのため、自社の経営方針や理念を踏まえたうえで、慎重に検討することが重要です。

職種の特性を踏まえて制度を設計する

職種別の人事評価制度にする場合は、職種ごとの特性を踏まえた制度を設計する必要があります。例えば、製造職は「技能やスキル」を重点的に評価し、研究開発職は短期的な業績ではなく中長期的な視点で評価するなどです。この点を見誤ると、やはり従業員が不満を感じてしまうので、現場の担当者・作業員などの意見も参考にするといいでしょう。

『人事評価シートDX』導入で人事評価の課題を解決した製造業事例

製造業の人事評価制度の改善と合わせて、「人事評価システム」を導入してデジタル化しておくことも重要です。人事評価システムへの移行で、より透明性が高く効率的な人事評価が可能となります。しかし、現行の業務フローの変更が必要なケースもあるため、工数とコストなどの点からシステム化に踏み切れない企業も少なくありません。

そこで、おすすめなのがWorkVisionの『人事評価シートDX』です。エクセルによる運用からスムーズに移行できるため、製造業における導入実績も豊富です。さまざまな製造業関連の企業での導入実績があり、高い評価をいただいております。

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■人事評価シートDXの特徴は以下のページでも詳しくご紹介しています。
人事評価シートDXが選ばれる理由

製造業への人事評価制度導入は人材獲得・生産性向上に効果的

製造業において適切な人事評価を行うことは、人材流出の予防やQCDの改善などの点で重要です。現行の人事評価制度を改善するときは、評価項目を明確化し、管理職など評価担当者への教育や全社的な情報共有の体制整備も欠かせません。

また、人事評価制度の改善と併せて、人事評価システムを導入しデジタル化を図ると、より公平で効率的な人事評価制度を実現しやすくなります。人事評価制度の改善と合わせて、システム化もご検討ください。

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