2023.03.17
人事評価の業務内容は、データ集計・共有・分析など多岐にわたるため、業務効率化が重要です。クラウド型の「人事評価システム」を導入することで、適切かつスムーズな人事評価を実現可能です。一方、操作性やセキュリティ強度など、システム選びで注意すべき点もあります。
この記事では、クラウド型人事評価システムの主な機能やメリット、システムを比較するときのポイントについて解説します。
目次
「クラウド型の人事評価システム」とは、インターネット上で稼働する人事評価システムのことです。まずは、クラウド型の人事評価システムの概要や、システムでできることについて、以下の5つの観点から解説します。
クラウド型の人事評価システムの導入により、人事評価に必要なデータを「見える化」できます。例えば、人事評価の進捗過程を確認することや、現在と過去の人事評価を表示して比較することが可能です。すべての情報をシステム上で管理できるため、運用担当者などが変わったときもスムーズに引き継ぐことができます。
人事評価は従業員の待遇に反映されるため、期日までに評価作業を完了させておく必要があります。クラウド型の人事評価システムでは、従業員に対する人事評価の進捗状況をリアルタイムで確認し、評価の抜け漏れやミスを防ぐことが可能です。情報共有の手間もかからないので、全体的な評価・フィードバックの作業をスムーズに行えます。
クラウド型の人事評価システムで蓄積したデータは、紙やエクセル(Excel)などの形式で出力できます。紙媒体で印刷すれば、ミーティングや打ち合わせで使用するための資料を、簡単に作成できます。エクセル形式でファイルを作成すれば、グラフ作成や分析など用途に合わせて編集できるので便利です。
クラウド型の人事評価システムは、インターネット上で稼働します。そのため、自社サーバーで稼働する「オンプレミス型」とは異なり、インターネット環境さえあればシステムにアクセス可能です。社内はもちろん出張先・自宅でも、タブレットやスマートフォンなどの端末から利用できるので、場所や時間に縛られずに人事評価ができます。
クラウド型の人事評価システムは、パソコンにインストールせずに使えます。すべてがインターネット上で稼働するため、前述したようにインターネット接続環境さえあれば、さまざまな端末でどこからでもアクセスできます。クラウド型はオンプレミス型と比べて、「導入・運用コストが安価」「バージョンアップが容易」「社外からでもアクセスできる」といった点がメリットです。
クラウド型の人事評価システムの主要機能は以下の5つです。ここからは、各機能の特徴について解説します。
被評価者と評価者で行われる「目標設定」を、シートなどの形式で管理・共有できます。目標の達成状況・フィードバックなどの進捗状況をリアルタイムで把握できるため、従業員の目標達成を丁寧にサポートできるでしょう。また、各種データを分析し、次の目標設定に活かすこともできます。
人事評価シートの作成と評価作業を、システム上で簡単に行えます。また、人事評価シートの配布・回収・集計など、エクセル(Excel)など従来の手法では手間がかかっていた作業も、すべてシステム上で完結します。評価担当者の作業工数を軽減できるので、業務効率化に効果的です。
また、クラウド型の人事評価システムの中には、「OKR」「360度評価」「コンピテンシー評価」など、人事評価手法を選べるものもあります。自社の人事評価制度に合うものを選べば、現状の制度を大きく変更することなく導入できます。
クラウド型の人事評価システムで蓄積した人事評価結果などの情報をもとに、最適な人材育成・配置ができます。タレントマネジメント機能の活用で、人事異動の失敗やプロジェクトの人選ミスなどを防ぎやすくなります。また、成果の出ていない社員の育成や、優秀な社員の有効活用にもつながるので、全体的なパフォーマンスや生産性の向上も可能です。
従業員の住所・マイナンバー・勤怠情報など、人事情報も管理できます。それぞれの事業所や部門など、各所に点在している情報を集約でき、必要な情報をすぐに引き出せます。
また、エクセル(Excel)などによる人事評価手法では、人事評価の結果と人事情報を連携させるときに、データの変換や転記などの作業が必要です。クラウド型の人事評価システムであれば、こうした手間や人為的ミスのリスクを排除できます。
従業員のスキル管理や人材育成の戦略設計、キャリア設計のサポートなども行えます。人事評価のデータをそのまま人材育成に活用できるので、データ管理や共有の手間がかかりません。システムによっては、キャリア開発のための研修の予約・進捗状況の管理まで行えるものもあり、戦略的な人材育成を目指す場合に役立ちます。
クラウド型の人事評価システム導入には、主に以下の5つのメリットがあります。
クラウド型の人事評価システムは、人事評価業務の効率化につながります。人事評価時のシート配布・回収・集計をシステム上で行えるうえに、進捗状況の通知や遅延時のアラート機能を備えたものもあります。
また、人事評価システムは多様なデータをデジタル化して一元管理できるので、膨大な従業員データを短時間で処理することが可能です。住所変更などが発生しても、システム上ですぐにデータを反映できるので、業務負担の軽減やペーパーレス化にもつながります。限られた人的リソースをほかの業務に割り当てられるので、生産性向上も見込めるでしょう。
人事評価システムでは、評価項目を細かく設定できます。評価基準の明確化により、担当者の主観による評価の偏りを防ぐことが可能です。適切な人事評価を実現できれば、企業に対する従業員の満足度が高まるため、離職率の低下につながります。人材不足が深刻化するこれからの時代において、企業に対する従業員エンゲージメント(貢献の気持ちや愛着心)の向上は、企業にとって大きなプラスになるでしょう。
人事評価システムの導入で、適切な人事評価制度が確立できれば、スキルや能力が評価に直結することを従業員に示せます。人事評価で課題が明確化したとき、従業員は高いモチベーションで課題解決にチャレンジするでしょう。例えば、新しいスキルの習得や資格試験の取得などです。従業員のスキル向上による業務効率化や生産性向上につながれば、企業全体の成長も見込めるでしょう。
クラウド型の人事評価システムでは、従業員の基本的な個人情報に加え、評価履歴や人事情報なども一元管理できます。それぞれ個別のシステムで管理する場合と比べて、データの活用や共有が容易に行えるようになります。例えば、評価履歴を活用して人材配置を最適化するなどです。労務管理や勤怠管理などのシステムと連携させれば、人事関連の業務をさらに効率化できるでしょう。
人材配置を行う際は、人事評価の結果やスキル・実績など、さまざまな要素を考慮する必要があります。クラウド型の人事評価システムには、それらのデータが集約されているため、適材適所の人材配置が行いやすくなるでしょう。
自身の能力を活かせる環境を与えられることで、従業員のモチベーションが高まります。結果的に企業の業績も上がり、それが従業員の待遇につながるという好循環を作り出せます。
クラウド型の人事評価システムの導入検討時は、以下の3つのデメリットに注意しましょう。
クラウド型の人事評価システムの選び方によっては、コストパフォーマンスが悪くなってしまうことがあります。人事評価システムで必要な機能は、企業の業種・業態・規模で変わります。例えば、従業員数が比較的少ない中堅企業の場合は、基本的な機能が備わっていれば十分なケースが多いです。
多機能なシステムはコストも高いので、コストパフォーマンスを重視する場合は、自社の規模や課題に適したものを選びましょう。
クラウド型の人事評価システムを導入するときは、人事評価の手法やフローなどを見直す必要があります。システム導入後も、新しい業務フローに慣れるまでは、以前より工数が増える場面もあるでしょう。つまり、人事評価者の業務負担が一時的に増えるということです。
そのため、システムの導入から定着までの計画を立て、定期的な研修を行うことなどで、担当者の負荷を軽減することが大切です。ただし、人事評価システムによっては、現行の人事評価制度や業務フローをほとんど変えずに導入できることもあります。
現在の人事評価シートの項目や内容によっては、そのままシステムへ移行するのが難しいことがあります。例えば、「業界特有の商習慣」や「職種の特性」を細かく反映した人事評価シートを使用している場合は、移行先の人事評価システムの種類によっては対応できない可能性があります。
また、社内ですでにITシステムを使用している場合は、人事評価システムと連携させると便利です。ただし、人事評価システムの仕様や相性によっては、うまく連携できないケースがあります。詳細は後述しますが、システム選定時は「カスタマイズ性」や「連携性」を意識すると、こうしたトラブルを防げます。
クラウド型の人事評価システムを選ぶときは、以下の4つのポイントを重視しましょう。
人事評価システムは、人事担当者や考課者だけではなく、被考課者となる従業員も目標設定や進捗更新などの際に使用します。そのため、「誰でも使いやすい操作性」でなければ社内に定着させることができません。特に重要なのが、インターフェースの親切さや見やすさです。直感的に操作できるインターフェースであれば、操作に不慣れな人でもそれほど苦労せず使いこなせるようになるでしょう。
しかし、人事評価システムはさまざま操作項目があるため、「使ってみなければ分からない」こともあります。そのため、無料の「トライアル」などを利用して、実際の使い勝手を確認しておくのがおすすめです。
クラウド型の人事評価システムは、労務管理や勤怠管理などほかの社内システムと連携することが可能です。システム連携により、社内で蓄積している膨大なデータを一元管理できるため、人事や労務関連の業務を大幅に効率化可能です。ただし、人事評価システムの仕様や既存システムとの相性などにより、うまく連携できないケースがあるため、事前に仕様や相性を確認しておきましょう。
導入目的や企業規模により、適切な人事評価システムは異なります。例えば、大企業は評価フローが複雑になる傾向のため、グループ企業間や支社間などでスムーズなデータ管理・共有が必要です。一方、中小企業の場合は業務効率化が特に重要なので、顔写真で人材管理ができる機能があると便利でしょう。
また、組織は流動的に変化し続けるものなので、システムが従業員の人事異動や部門統合に対応できることも重要です。その際にデータを移行できなければ、組織体制が変化するたびに従業員データを登録しなおさないといけません。導入前は「どんな使い方をするか」「将来的にどんな変化が生じるか」を踏まえて、必要な機能を精査してシステムを選ぶことが重要です。
人事評価システムは、従業員の個人情報や企業の機密情報を取り扱うため、システムのセキュリティ強度が極めて重要です。仮に社外へ情報が流出した場合は、企業の信頼性を損ねる事態になりかねません。そのため、「SSL/TLS暗号化通信」や「2段階認証」など、セキュリティ対策機能を搭載したシステムを選ぶようにしましょう。
また、サポート体制について確認しておくことも重要です。システムの導入に不安がある場合は、導入サポートやコンサルタントを利用できるものを選ぶと、スムーズに導入できるでしょう。また、システムにトラブルが発生したときも、サポート体制が充実していれば迅速に解決できるので安心です。
人事評価をシステムすると、さまざまな情報をシステム上で一元管理できるため、人事評価や管理関連の業務を効率化できます。しかし、現行の人事評価シートや業務フローの変更が必要なことや、コスト面の負担などが理由で、システム化に踏み切れないこともあるでしょう。
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30日間の無料トライアルも利用できるので、人事評価のシステム化で課題を抱えている方は、お気軽にご相談ください。
■人事評価シートDXの特徴は以下のページでも詳しくご紹介しています。
人事評価シートDXが選ばれる理由
クラウド型の人事評価システムを導入すると、人事管理関連のさまざまな業務を効率化できます。人事評価システムを選ぶときは、操作性やセキュリティ体制、自社の既存システムとの連携性などを意識することが重要です。
適切な人事評価実現による従業員のモチベーション向上や人材配置の最適化が実現すれば、生産性向上など、大きな経営改善効果も期待できるでしょう。