• TOP
  • コラム
  • MBO(目標管理制度)システム・ツールとは?主な機能やメリット、比較ポイントを解説

2023.03.17

MBO(目標管理制度)システム・ツールとは?主な機能やメリット、比較ポイントを解説

MBO(目標管理制度)システム・ツールとは?主な機能やメリット、比較ポイントを解説

MBO(目標管理制度)は、従業員の自主性を育成できるマネジメント手法です。しかし、MBOは多くの情報を扱うため、紙媒体やエクセルでの運用には限界があります。そこで、「目標管理システム・ツール」を導入することで、MBOの運用効率や精度を改善することが可能です。

この記事では、目標管理システム・ツールの主な機能やメリット、システムの選定ポイントについて解説します。

目標管理システム・ツールとは?

「目標管理システム・ツール」とは、人事評価制度であるMBO(目標管理制度)の運用をデジタル化するためのシステムです。まずは、目標管理システム・ツールについて、以下の3つのポイントを解説します。

  • 目標管理制度(MBO)の特徴とメリット
  • よくある目標管理制度(MBO)運用の課題や悩み
  • 目標管理システム・ツールで解決できること

目標管理制度(MBO)の特徴とメリット

そもそも「目標管理制度(MBO)」とは、ピーター・ドラッカ―が提唱したとされる組織マネジメントの概念です。目標管理制度では、組織目標を達成するために従業員自身が個人目標を設定し、その達成度を上司が評価します。

なお、原語の「MBO(Management by Objectives)」は、本来「目標による自己管理」を意味します。これは、従業員に自律的な計画・行動を促し、スキルやマネジメント能力の向上を図ることがMBOの目的だからです。また、組織と個人の目標意識を統一できるため、同じベクトルでビジネスを進められることもMBOの魅力です。

よくある目標管理制度(MBO)運用の課題や悩み

目標管理制度の運用には、目標設定・進捗状況・評価結果などを記載するための「目標管理シート」が不可欠です。しかし、紙媒体やエクセルによる運用には限界があり、円滑な運用ができないと他の業務に支障が出てしまいます。例えば、評価者による最終的な査定が遅れると、人事評価や給与への反映が間に合いません。

また、目標管理制度は人事評価と結びついているため、セキュリティ面での対策も求められます。そのため、データのやりとりは個別に行うなど注意を払う必要がありますが、余分な作業工数が増えると「目標による自己管理」がスムーズに進みません。

このように、従来のアナログ手法で目標管理制度を運用していると、目標管理シートの作成・更新・共有などさまざまな点で課題が生じます。これを解決してくれるのが「目標管理システム・ツール」です。

目標管理システム・ツールで解決できること

目標管理システム・ツールは、目標管理制度(MBO)の運用に必要な情報を一元管理し、目標設定・評価結果の集計・フィードバックまでの流れをサポートしてくれます。すべてがシステム上で完結するため、紙媒体やエクセルは必要ありません。

また、システムによっては現行の人事評価制度に準じた運営も可能です。さらに、蓄積したデータの分析や「見える化」もできるので、今後の人材配置計画や人材育成にも役立つでしょう。

このように、目標管理システム・ツールの導入により、MBOをより効果的に運用できるようになります。

目標管理(MBO)システム・ツールの主な機能

ここからは、目標管理システム・ツールの主な機能を見ていきましょう。機能の特徴としては主に以下の3つが挙げられます。

  • 目標管理シートの一元管理と集計自動化
  • 蓄積した評価データの「見える化」と分析
  • ほかの人材管理システム・ツールとの連携

目標管理シートの一元管理と集計自動化

目標管理システム・ツールの代表的な機能は、目標管理シートの「一元管理」と「集計自動化」です。目標管理制度の運用に必要な情報を、従業員情報と紐づけて管理できるため、評価・フィードバックを行うときに必要なデータを簡単に取得できます。

さらに、人事評価の集計作業も自動化できます。手入力や転記などの作業が不要となるため、作業工数を減らせるうえに、人為的ミスも予防できることが魅力です。また、情報共有や案内、未提出者への催促などもシステム上で行えるので、MBO運用の関連業務を大幅に効率化できます。

蓄積した評価データの「見える化」と分析

MBO運用で蓄積した評価データは、さまざまな観点から「見える化」と分析ができます。例えば、「甘辛調整」を行う際は、「平均点」や「正規分布」などを加味することが一般的です。目標管理システム・ツールを活用すると、全従業員の評価分布を画面上に表示できるため、適切な甘辛調整が行いやすくなります。この機能により、人事評価の調整会議を円滑に進められるでしょう。

また、蓄積した評価データを活用し、従業員や部門のパフォーマンスを多角的に分析することも可能です。分析結果を「見える化」すれば、人材育成や配置の戦略設計にも役立ちます。後述するように、ほかの人材管理システム・ツールと組み合わせると、より高度なデータ分析も行えます。

ほかの人材管理システム・ツールとの連携

目標管理システム・ツールは、ほかの人材管理システム・ツールとデータを連携させることもできます。システム同士を連携させると、双方のシステムで同一のデータベースを使えるようになるため、データ編集や転記の手間を省けます。

また、各システムで蓄積したデータを集約し、より多角的な分析を行うことも可能です。さまざまなデータを活用できる環境が整い、人材マネジメント業務の改善にも役立ちます。

目標管理(MBO)システム・ツールを導入するメリット

目標管理(MBO)システム・ツールを導入するメリットは、主に以下の5つがあります。

  • MBO運用と人材管理業務の効率を改善できる
  • 従業員のモチベーションとスキルが向上する
  • 人事評価制度の改善でエンゲージメントが高まる
  • 目標管理(MBO)の運用と評価の精度が向上する
  • タレントマネジメントの仕組みを構築できる

MBO運用と人材管理業務の効率を改善できる

目標管理システム・ツールの導入により、MBO運用と人材管理業務の効率を改善できます。前述したように、紙媒体やエクセルでのMBO運用は、評価集計や情報共有などさまざまな場面で手間がかかります。目標管理システムで情報を一元管理し、集計作業を自動化すれば、評価者・被評価者ともにMBOをスムーズに運用できるようになるでしょう。

従業員のモチベーションとスキルが向上する

目標管理制度(MBO)の主要な導入目的は、従業員のモチベーションとスキルの向上です。目標や計画を自分で決めるとき、「内発的動機」が生じやすくなります。内発的動機はモチベーションを高めるため、従業員は目標達成に向けて自らスキルを磨こうとします。目標管理システム・ツールを導入すれば、余計な作業工数を省けるため、モチベーションも一段と高まりやすくなるでしょう。

人事評価制度の改善でエンゲージメントが高まる

目標管理システム・ツールの導入は、人事評価制度の改善にもつながります。MBOの評価基準は、あらかじめ設定した具体的な目標です。例えば、「9月までに新規案件を30件獲得する」という目標の達成条件は、誰が見ても明らかです。数値に基づいた客観的な人事評価が行われるので、従業員が納得しやすく、企業に対する安心感やエンゲージメント(貢献の気持ちや愛着心)が高まりやすくなります。

目標管理(MBO)の運用と評価の精度が向上する

MBOの運用精度を高めるためにも、目標管理システム・ツールが効果的です。紙媒体やエクセルでMBOを運用すると、データ管理や集計がうまくいかず、MBOが機能しないことがあります。例えば、データ入力や転記のミスで正確な評価が行えないなどです。

目標管理システムを導入すれば、すべての情報をデジタル化できるため、さまざまな場面で運用精度が向上します。

タレントマネジメントの仕組みを構築できる

「タレントマネジメント」は、従業員の情報を一括管理し、人材育成に活用することを指します。前述したような目標管理システムと人材管理システムの連携により、さまざまな情報を集約可能です。そのデータを分析すれば、従業員のスキルや適性を把握し、人材の育成・配置プランを最適化できます。タレントマネジメントシステムとも連携させれば、より高度な仕組みを構築できるでしょう。

目標管理(MBO)システム・ツールを導入する際の比較ポイント

目標管理システム・ツールを導入する際は、以下の4つのポイントを意識して選ぶことが重要です。

  • システムの機能が導入目的に適合するものを選ぶ
  • 自社の事業規模や予算に合うものを選ぶ
  • カスタマイズ性や連携性が高いものを選ぶ
  • セキュリティやサポート体制が充実したものを選ぶ

システムの機能が導入目的に適合するものを選ぶ

目標管理システム・ツールの機能や強みが、自社の導入目的に適合するか確認しましょう。そのためには、まず自社が抱えている課題を明確化する必要があります。例えば、「従業員のモチベーションが低い」「MBO運用がうまくいかない」「人事評価制度を刷新したい」などです。MBOの精度や効率に課題がある場合は、現在の目標管理制度に合うシステムを選ぶことが大切です。

自社の事業規模や予算に合うものを選ぶ

自社の事業規模に合う目標管理システムを選ぶことで、コストパフォーマンスが上がります。目標管理システムには、「中小企業向け」と「大企業向け」の製品があります。それぞれ機能や料金プランが異なるので、自社の従業員数や事業所数に適したシステムを選びましょう。システムの導入事例を確認し、自社とよく似た業態・規模の事業者で、導入実績が多いものを選ぶのも効果的です。

カスタマイズ性や連携性が高いものを選ぶ

カスタマイズ性が高く、ほかのシステムと連携しやすいものを選ぶことも重要です。企業にはそれぞれ固有の組織体制や業務フローがあり、同じ業種・業態・規模であっても、必要とする機能が異なります。そのため、機能を細かくカスタマイズできるほうが、より自社に適合するシステムを導入しやすくなります。業界や企業に変動があったときも、システムをカスタマイズできるほうが有利です。

また、目標管理システム・ツールは、ほかの人材管理システムと組み合わせることで、その運用効果がさらに高まります。ただし、システム同士の相性によってうまく連携できないことがあるため、あらかじめ社内の既存システムとの連携性を確認しておきましょう。

セキュリティやサポート体制が充実したものを選ぶ

セキュリティやサポート体制も意識しましょう。目標管理システム・ツールでは、従業員の個人情報を管理するため、セキュリティ強度に細心の注意を払う必要があります。「SSL/TLS暗号化通信」のような、高度なセキュリティ対策機能を備えているシステムを選ぶのが無難です。

システムの導入や運用に不安がある場合は、手厚いサポート体制がある製品を選びましょう。システムによっては、運用のコンサルティングサービスも受けられます。サポート体制が充実したシステムを選ぶと、運用時にトラブルが発生しても迅速に解決できるので安心です。

MBO(目標管理制度)運用の負担軽減には『人事評価シートDX』がおすすめ!

紙媒体やエクセルでのMBO運用には、「効率」や「評価のばらつき」などの課題があります。しかし、MBO運用のシステム化にあたり、現行の業務フローや人事評価制度の変更が必要なケースがあります。そのため、システム化に踏み切れないという企業も少なくありません。

そこでおすすめしたいのが、WorkVisionの『人事評価シートDX』導入によるMBO運用のデジタル化です。現在の人事評価制度を変更することなく、エクセルからでも簡単に移行できます。30日間の無料トライアルも利用できるので、MBO運用の効率や精度でお悩みの場合はご相談ください。
■人事評価シートDXの特徴は以下のページでも詳しくご紹介しています。人事評価シートDXが選ばれる理由

目標管理システム・ツールの導入でMBO運用を効率化できる

MBO(目標管理制度)は、従業員のモチベーション・スキルの向上に効果的です。しかし、従来のアナログ手法での運用には、効率や精度などの限界があります。

目標管理システム・ツールを導入すれば、運用に関わる課題を解決できるだけではなく、さまざまな観点からデータ収集・分析も行えます。人材管理システムと連携させると、高度なタレントマネジメントの仕組みも構築できるでしょう。

コラム一覧へ戻る